わたしは 本を読むことがどうしようもなく好きなのですが
たちの悪いことに、本屋さんでついつい何冊も本を買ってしまったり
図書館でぎりぎりの冊数一杯に本を借りて来てしまったりするのです。
一冊ずつ読んでいけばいいものを
大好きな本になると、読み終わることがとても寂しいので
何冊かの本を少しずつ読んでいくことになります。
ちょっとケチくさい読み方で申し訳ないのですが
ここ数日、私をドキドキさせている本は
井伏鱒二 「集金旅行」 「本日休診」
倉橋由美子 「大人のための残酷童話」
宇野千代 「女の日記」
久志卓真 「支那の陶磁」
全部短編なため、とっかえひっかえ楽しんでいます。
大好きな井伏鱒二は荻窪に住んでいたのか、と今さらながら知ったり
倉橋由美子は、亡くなる前の新聞での爽快なインタビューを思い出しつつブラックな教訓ににんまりしたり、
宇野千代は、白州正子とはまた別の局面から青山次郎や小林秀雄のことを書いているのが面白く
そして久志卓真は、その知識の森の奥深さに目を白黒させながら読んでいます。
ほとんど、この久志卓真を読むための息抜きに他の本を読んでいるような状態ですが…
10月の末日は、わたしが知るなかで一番やさしさというものを体現していた人の命日でした。
どうか彼女もどこかで良い秋を過ごしていますように。